みずほ証券損失300億円

最近では最も興味をそそられるニュースだったけど、今日の朝刊にはもう載っていない。未決済の14万株は誰がいくらで買ったのか、そいつは注文ミスだと判っていて買ったのかそうでなかったのか…これから明らかになるのだろうけれど、ヘタなドラマより数段おもしろいサスペンスである。


写真集 北上川北上川
朝日の書評で紹介されている写真集。紙面に載った写真は「何を写すか」を大事と考えて撮ったものであり、「どう写すか」なんて関係ないようである。小説でもマンガでも映画でも「何を書くか(描くか、撮るか)」と「どう書くか(描くか、撮るか)」の問題がある。面白いものを面白く書く(描く、撮る)のが一番なんだろうけど、面白いものをそれなりの表現力で作品にしても面白かったりするし、詰まらないものを超絶テクニックで面白く見せる作品だってこの世にはある。
北上川』は面白いものをただ撮っているだけなのかもしれない(なにしろ、きょう書評欄で初めて目にしたのだからハッキリとは判らない)。でも、それなりに面白そうな気はする。


あと、写真でどうしても気になるのは、写真家とモデルの関係である。
ヌード写真とかスポーツ写真とか報道写真とかは、写される側は写されることを初めから許しているから二人の間でトラブルはない(報道写真では写されたくない人がカメラマンとトラブることはあるけど、それはカメラマンが確信犯ということなので除外して考える)。ところが、カメラマンが市井の人をいきなり写そうとすれば(隠し撮りや望遠で写すことを除けば)、写される側は驚くだろうと思う。あるいは、怒るかもしれない。少なくとも、カメラマンがいま写そうとしたポーズや表情が掻き消えてしまう可能性がある。かと言って、写す前に「写していいですか」と訊けば、「いいよ」と言われたとしても、被写体は身構えてしまうかもしれない。だとすれば、被写体が普段と変わらないことを普段と同じように振舞えるようにあらかじめ人間関係を築いておくという方法を採っているのだろうか。
写真を撮る能力はコミュニケーション能力によるのかもしれない。