きのうはスープ(玉葱とベーコンと人参のコンソメスープ)を作り、きょうはカレーを作った。
カレーの肉は角切りを使うのが僕のコダワリである。
子どものころ母親が作るカレーにはいつも小間切れ肉が入っていて、テレビCMで見る角切り肉入りカレーを見るたび憧れていた。でも、「角切りのお肉の入ったカレーを食べたい」とは言えなかった。田舎の兼業農家、今から考えれば貧乏の部類に属していたと分るけど、当時周りはみな同じようなものだったので自分ではフツーだと思っていた。でも、子ども心にも「角切り肉はゼータクだ」という意識がなんとなくあった。
いま、僕は角切り肉のカレーを作ることができる。それで充分だと思う。



たべものに関して昔を語るとすれば、思い浮かぶのは魚肉ソーセージと魚肉ハム(これに関しては、実は魚肉が材料なのかよく知らない。赤い縁取りのある赤茶けた色のハムで、もしかするとクズ肉で作られたハムなのかもしれない)。ウィンナーやロースハムの入っている同級生の弁当を見るとちょっと羨ましかった。でも、塩味の効いた魚肉ソーセージは、懐かしさのせいだけでなく、結構うまいと今は思う。でもやはり、それは、魚肉ソーセージとウィンナーのどちらでも選ぶことのできる今だから言えることであって、魚肉ソーセージしか食べられなかった子どもの頃はウィンナーは憧れの食べ物に違いなかった。田舎の子どもにとって、大げさに言えば、ウィンナーは「都会」や「豊かさ」の象徴だったのである。