『リトル・ミス・サンシャイン』

簡単にいえば、家族再生ロードムービーである。でも、映画って簡単に一言で言い表すことはできないもので、たとえばこの映画を観る前に、「この映画は家族再生ロードムービーですよ」なんて言われたら僕は絶対に観なかっただろう。家族愛とかヒューマンドラマとか恋愛ドラマなんて言葉で一括りにされると、映画なんて観る気にならないものである。(何が言いたいんだ、自分?)

ヤク中で下品な祖父、勝ち組志向なくせに実は負け組の父親、夕食にケンタッキーフライドチキンを連発する母親、パイロットになる願掛けのため無言を貫く兄、自殺未遂のゲイ学者の叔父、そしてミスコンを目指すちょっと太り気味な9才(?)の少女オリーブ。家族はオリーブが出場するミスコンのためにカリフォルニアを目指す。もちろん、道中にはトラブルや諍いがある。そんなこんなでミスコンに出場し、まあ、お決まりの結末ではある。
でも、僕は思うのだが、お伽噺がハッピーエンドで終わったあとシンデレラや眠りの森の美女が退屈とは言わなくともただの日常生活を営むように、映画の家族が一時の昂ぶりのあとで確かな繋がりをキープできるのかどうか、そんなところは映画にはならないだろうけれど、結局映画っていうのは「いいとこ取り」というか観客を興奮させる(あるいは感動させる)人生の一部を切り取っているのだなあ。(ほんと何が言いたいのか、オレ?もう寝る!)