教科書検定意見撤回

沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、検定意見の撤回を求める沖縄県民の強い意見を受け、教科書会社からの訂正申請などの形で、記述が復活する可能性が出てきた。
(2日、朝日新聞

二つの理由で気に入らない。
一つ目。11万人集会に屈して検定意見を撤回するのが許せん。相手が11万だろうが110万だろうが、正しいと思ってやったことなら撤回なんかするな、と思う。己の判断が間違っていたと認めての撤回なら許す、というか当然だが、事が大きくなったからといって撤回するのは筋違いである。
二つ目。撤回することを決めたのなら素直に教科書の記述を訂正させればよいのに、教科書会社からの訂正申請の形をとろうとするのが許せん。「教科書会社からの申請があって、それを認めました」などという、自己責任を避けようとする態度が見苦しい。
ただし、僕自身は、集団自決は軍に強制されたものだと思っているので、教科書がそのように訂正されること自体は支持する。


でも、もうひとつ気になることがある。僕は集団自決の現場に居たわけでなく、その場に居た人の話を聞いたこともない。だけど、自決は軍に強制されたのだと思っている。それは、自分がこれまで読んだ教科書や新聞やテレビから得た知識である。ということは、人の言うこと(書いたこと)を信用しているにすぎないのである。それは、逆に考えれば、集団自決が軍に強制されたものでないという記述を教科書や新聞で読んだりテレビで見たりして育ったとすれば、僕はそれを信じただろうということである。何が真実であるかということを証明することは難しく、何かが真実だと思い込むことは簡単であるということは、考えてみれば恐ろしいことである。