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この数日でビデオを2本観た。『波止場』と『イヴの総て』。名作と呼ばれるものを観てみようと思って…。

僕は、映画にしろ小説にしろ、1回や2回くらい観たり読んだりしてもすぐに忘れてしまう。どんなストーリーだったか覚えちゃいない。かろうじて、印象だけが残っている。「あれは面白かった」とか「退屈だった」とか。それではイカンと思って、これから少しずつ観なおそうと思っている。
どうして忘れてしまうのだろう。自慢ではないが、少なくとも子供の頃は記憶力はいい方だった。でも、小説読んでもすぐに忘れてしまう子供だった。ストーリーを覚える記憶力とそれ以外の記憶力は別物なのだろうか。一度観た(読んだ)だけで粗筋が頭に入ってしまう人もいるというのに、哀しくなってしまう。


映画を観てる時は「あ。ここはこうしたらもっとよくなる」とか思うのだけど、それはきっと創作能力ではない。どんな作品でも完璧ではないし、人によって受け取り方は違う。アラはあってもそこまで創り上げる能力は、解説や批評をする能力とは別のものだろう。
自分に創作能力があるのか、はなはだ疑わしい。やってもいないのだから、判らないと云えば判らないけれど。
そもそも、世の中には無数に「作品」があるのに、あえて自分が「作品」を創らなければならない理由もない。創るとすれば理由は二つしかない。一つは「やむにやまれぬ思い(創作意欲)が湧き上がる」であり、もう一つは「創ることが楽しい」である。ふつう、前者を芸術と云い、後者を趣味と云う。自分は芸術家ではないのだから「作品」を創れない、という漠然とした諦めがあったのだけど、そんなに堅苦しく考える必要はないと最近思っている。そして、後者による「作品」であっても面白いものはできると思う。「100%芸術家」って滅多にいなくて、逆に「100%趣味人」というのもいないと思う。「30%芸術家で70%趣味人」くらいで「芸術家」と呼ばれているような気がする。