感想。

『波止場』
女への愛が彼を変えたのか?女がいなければ正義は実現しなかったのか?
同じテーマで今リメイクするとしたら、ひどい暴力描写になるだろうし、主人公とヒロインの恋は激しいものになるだろう。昔の映画だからほどよく牧歌的なつくりになっていて、刺激的でない分だけ滋味がある。


イヴの総て
表彰式から後の部分は蛇足だと思う。「歴史は繰り返す」みたいなオチをつけないで、イヴという女のコワさ、したたかさだけを示して終わった方が余韻が残ってよいと思った。
大女優役の人(ベティ・デイビス?)の存在感は、こっちが主人公の映画かと思えるくらいだった。


許されざる者
派手なアクションもないのに、最後まで緊迫感を保っている。面白いのだけど、なんか雰囲気だけのような気もする。
さして躊躇することなく牧童を撃ち殺して、どこが「俺は昔の俺と違う」のか判らない。
相棒が拷問に絶えかねて白状するなんてのは、映画的にはどうなんだろう。白状しないまま死ぬ方が観客の気持ちを掴むと思うのだが、敢えてセオリーを外したのはどういう意図なんだろう。そんなことは些細なことで、「拷問で殺された」ということだけで復讐へとつながっていくのだから気にすることないのかな。
エピローグで主人公が経済的に成功したというナレーションが流れるが、これもセオリー的には反対でしょう?「昔の俺」に戻ってイヤなヤツになったということなのだろうか…。
ほかにもいくつか分からないことがあるけど、ストーリーに身を任せておけば渋い映画です。