死刑

杉浦法相が就任後の記者会見で、死刑執行について「(命令書には)サインしない」と表明し、1時間後に発言を撤回した。別にそれはどうということもないのだけど、死刑判決を受けても法相がサインしないと執行されないというのは変である。ふつう「死刑判決=死刑執行」だと思っているから、「執行する・しない」の最終判断が裁判の後にもうひとつあるというのは不思議な気がする。死刑判決を受けているのに何年も執行されないというのは感覚的にはどうも受け入れにくい。僕はどちらかというと死刑反対派に近い意見だけど、そういうこととは別に死刑制度としての合理性に疑問を持ってしまうのである。
例えば、判決で「今日から100日目に死刑を執行します」とか言ってもいいんじゃないのだろうか?いつ執行するかという基準がなくて、それは法相が決めることだというのはいかがなものでしょう。
死刑囚の立場からすれば、執行日を知らされるのとその日がくるまで執行日を知らないのとではどちらがいいのだろう。いつ死刑を執行されるか分からない不安は半面今日はまだ大丈夫かもしれないという望みでもあり、いつ執行されると分かっている恐怖は半面執行の日までは大丈夫だという安心感でもある。それは、ガンだということを告知してほしくない人と告知してほしい人の2種類いるのと似ている気がする。ぼくは「告知してほしい派」…だと思う、たぶん。