実を言うと

日本経済新聞が好きです。ただ、日経は職場でとってるから休日出勤のときくらいしかまとまった時間は読めない。少し前までは日経なんて難しそうな新聞を読もうという気はなかったのに、最近はみずほ証券の誤発注事件があったりして読むのが楽しくて仕方ない。「魔の十分間」のドキュメント風記事なんてドキドキしながら読んでしまった。きっと、みずほの現場じゃ怒鳴りあったり走り回ったりで大パニックだったと想像する。


で、なぜ、誤発注は「なかったこと」にできないんだろうとずっと思ってました。「注文取り消し」じゃなくって「売買契約無効」って意味だけど。それがムリだってのもだいたい理解できるけど、気分としては「なかったことにしてやりなよ」なのである。
例えば、洋服屋さんで10万円のスーツに間違って1万円の値札をつけたとして、お客がお金払って店を出た瞬間に店員が間違いに気づいたとしたら、きっとお客を追いかけていって、「すみません、お客さん。値札が間違っていましたので商品はお返し願えませんか?代金もお返しいたしますので。」ってことになると思う。つまり、売買は「なかったこと」にしてくれと頼むと思う。お客は「値札つけ間違えたのはオタクの責任でしょ?俺は値札のとおりきちんと代金払ったんだから商品は返さないよ。返してほしけりゃ10万円払いなよ」って言う人もいるでしょう。でも、ブツブツ言いながらでも返品に応じる人だっていると思うし、別にそれで損するわけじゃないから返してやりなよ、と個人的には思う。
そもそも値札が間違っているのを知ってて何十着も買ったヤツがいるし、おまけに在庫がないのまで分かってて買ったヤツもいるらしい。


しかし、株はおそろしい。間違ったら大損するってことじゃなくて、わずか10分という短い時間に人がハイエナのように群がってくるっていうことが。もしも僕にそれなりの資金があったら、デイトレーダーになるのもいいなと思っていた(もちろん資金はないし株の知識もないので、あくまで空想なのだが)。でも、10分の間に儲ける手を見つけて売り買いを決断するような世界で仕事をするなんて、きっと起きてる時間のほとんどをモニターに集中するような生活を続けないとできないことなのだろう。仮にそれで儲けたとしても、儲けた金をのんびり旅行に使うなんてヒマはないように思う。そんな生活なんてイヤだから、デイトレーダーにはなれない(もちろん、なりたくてもなれないのだけど)。


ジェイコム株買って儲けた証券会社は利益を返上することになった。だからといって、みずほに返すんじゃないってんだからよく分からない。いや、分からないわけじゃないけどしっくりしない。
ま、それはそれとして、みずほは東証富士通にいくら損害賠償請求するのか、というか3者の責任の割合をどのように判断するのか楽しみである。