『平成マシンガンズ』

文藝 2005年 11月号
第42回文藝賞受賞2作のうちの一つ。★★☆☆☆
執筆時に14歳の三並夏さん。14歳だから受賞したのではないと選考委員は説明する。うん、たしかに読みやすくて、まあ面白かった(「まあ面白かった」なんて言い方はよくないと自覚しているけど、「とても面白い」でもなく「詰まらない」でもなく、その二つの間であるけど「普通」っていう言い方もしっくりこないので)。でも、どうしても「そか、作者は14歳なのか…」という目で読んでしまう。つまり、純粋に作品の内容だけで評価するのでなく、読んでるこちら側に邪念が混じってしまうのである。
エンターテインメント性が強い小説ではさほど気にならないけど、純文学っぽい小説を読んでいて解りにくい表現にぶつかると、「作者がヘタで解りづらいのか、俺がアホだから解らないのか」と悩み、作者がどんな人なのかを知ることで作者への信頼を得て、それを根拠に己の読解力のなさを納得させ、ちゃんと読めば解るはずと自分を叱咤するという情けないことをやってしまうのである。
年齢のほかに性別だの経歴だの、正直に言えば学歴なんかも気になる(そういうのって、「学歴主義」って非難されるだろうなぁ。「お前は学歴で作家の能力を測るのかね?作品を読み解いて判断できないのかね?」とか言われそうだよなぁ)。性別が気になるのは、主人公の性別と作家の性別が同じなのか別なのか気になるからである。
だから、逆に、そういった作者のプロフィールなど知らないで読んだ方がいいと思っている。



バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

ずいぶん昔に買って大事にしていた(つもりの)コミックをなくしてしまって、やっぱり手元に置いておきたくて買い直した。
で、久しぶりに読み直したのだけど、最初に読んでいた頃の感動はかなり薄れてしまって、思い出は思い出のままとっておいた方がよかったのかと少し思った。昔の俺が幼なすぎて面白く感じたのか、今の俺がスレてもう詰まらなくなってしまったのか、単に繰り返し読んだことで飽きたのか…。
でも、思い出(感傷)コミで★★★★☆…どうも俺は漫画に対して点が甘いようです。