リアルとは

tetsu02112004-12-07

きのう、ケータイの電波が届かない民宿に泊まった。
星の数がいつも見る空より10倍多かった。
部屋にテレビがあった。なくてもよかったかもしれないが、あったのでスイッチを入れた。2時間モノのサスペンスドラマをやっていた。普段この手のドラマは観ないが、酔って眠るまでは観ていた。
布施博扮する刑事が車を降りた。パトカーじゃなくて覆面。鍵をかけずに歩いていった。ドラマに限らず映画でもそうだけど、これまで車に鍵をかけるシーンを見たおぼえがない。アメリカ映画でよくあるシーンだからアメリカじゃ鍵しないのがフツーなのかと思っていたが、日本のドラマもそうだったのか。これって、リアルじゃないと思う。不自然に感じる。
鍵をかけるシーンが無駄なのなら撮さなくていい。でも、フツーの人は鍵をかけたあと歩きながらポケットに鍵を入れたりする。そういうシーンもない。つまり、車の中に鍵をつけっぱなしか鍵を抜いて車の中でポケットに収めたことになる。ヘンだと思う。フツーの人はそんなことはしない。そんなヘンなシーンが一つあるだけで、ドラマ全体のリアリティが損なわれると思う。別にリアリティを追求する気がないならそれまでだけど、リアリティっていうのは「現実的」ということではない。「現実感」とか「真実味」のことである。人間が空を飛ぶシーンは現実的ではない。しかし、それを本当っぽく思わせる技術(あるいは哲学と言いたいくらいだ)が映画には必要なのである。