列車事故。

遺族から見れば、JRの対応が不誠実や不謹慎に思えるだろうことはよく分かる。何を見ても悲しく、何を聞いても怒りをおぼえるだろうことも理解できる。
でも、マスコミの報道には少し疑問がある。事故のあった列車に乗り合わせたJRの運転士が救助活動せずに勤務に向かったこと、事故当日に親睦ボーリング大会や懇親会に参加した区長がいたこと、JRの他の支社で休暇をとってゴルフをしていたこと、これらはJRが調べて自ら発表した事実ではあるけれど、報道の姿勢に若干の疑問を感じた。一見、事実をそのまま報道しているだけのようだけど、その実、不謹慎極まりないと言いたげにみえるのだ。
事故があったのを知っていてボーリングやゴルフをやめなかったのは、感情的あるいは道義的にはよろしくなかったかもしれない。でも、少なくともそれらは事故の原因ではない。
問題は、休暇中の者をかりだしてまで、あるいは勤務予定の運転士を事故現場に残してまで、事故に対応する必要があったのかどうかであり、仮に必要があったにもかかわらずそれを怠っていたというのであればそれをこそ糾弾すべきである。そういう部分に踏み込まず、ただ感情的に許せないということだけで報道すべきではないはずだ。極論すれば、サラリーマンであるJR職員が休暇中に何をしようが自由であるのだから。
…この件に限らず、怒りや悲しみを煽る記事やニュースは見ている方もつらくなる。報道には、非難でなく批判を望むものである。


事故で亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。読まれないとは思いますが、ご遺族の方にお悔み申し上げます。